■ロータリーエンジンはこれから何処へ向かうのか?(その20)

【5】再掲

n=4とおくとロータリーエンジンの場合の方程式が得られるように一般化してあるため,たとえば,n=3とおくと3サイクルのロータリーエンジンに対する結果となる.再度,結論をまとめておく.

中心円軌道の半径が2の場合,ローター(正n角形の内転形)は3項よりなる有限フーリエ級数

x=(n-2)cos(nt)+ncos(n-2)t-2n(n-2)sint

y=-(n-2)sin(nt)+nsin(n-2)t-2n(n-2)cost

で表すことができる.

また,その包絡線がステーターとなるが,これは4項よりなる有限フーリエ級数

X=(n-2)cos(nt-θ)+ncos{(n-2)t+θ}-2n(n-2)sin(t-θ)+2cos(n-1)θ

Y=-(n-2)sin(nt-θ)+nsin{(n-2)t+θ}-2n(n-2)cos(t-θ)+2sin(n-1)θ

において,

m=n-2

θ=(n-2)t/m+(2k+1)π/m, t=[0,2π/(n-1)], k=0,1,・・・,m-1とおくと直線部分が,

θ=-nt/m+(2k+1)π/m , t=[2π-π/(n-1),2π], k=0,1,・・・,m-1とおくと曲線部分が得られる.

n=4のとき,半径16の半円を長さ8の線分で補間した形状を備えていることがわかる.すなわち,2つの円を半径の半分だけずらしたものであることが確かめられる.

ローターが時計回転の場合は,共役問題(双対問題)といってよいが,その包絡線は正n角形の頂点が丸みを帯びた形の概n角形を描く.

X=(n-2)cos(nt+θ)+ncos{(n-2)t-θ}-2n(n-2)sin(t+θ)+2cos(n-1)θ

Y=-(n-2)sin(nt+θ)+nsin{(n-2)t-θ} -2n(n-2)cos(t+θ)+2sin(n-1)θ

において,

m=n

θ=-nt/m+2kπ/m, t=[0,2π/(n-1)], k=0,1,・・・,m-1とおくと直線部分が,

θ=(n-2)t/m+2kπ/m, t=[2π-π/(n-1),2π],k=0,1,・・・,m-1とおくと曲線部分が得られる.

n=4のとき,長さ16の線分とアステロイドの平行曲線から構成されることがわかる.

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