■剰余の計算(その1)
モジュラー算術では
a=b (modm),cは整数
→a+c=b+c (modm),ac=bc (modm)
a=b (modm),c=d (modm)
→a+c=b+d (modm),ac=bd (modm)
a=b (modm)
→a^2=b^2,a^3=b^3,・・・,a^n=b^n (modm)
mが大きい場合の計算例を掲げたい。
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[Q]19x=1 (mod140)の解を求めよ.
[A]法140の素因子2に関して,x=1 (mod2)であるから,x=2y+1を19x=1 (mod140)に代入すると
38y+19=1 (mod140)
38y=−18 (mod140)
19y=−9 (mod70)
法70の素因子2に関して,y=1 (mod2)であるから,y=2z+1を38y=−18 (mod140)に代入すると
76z+38=−18 (mod140)
76z=−56 (mod140)
19z=−14 (mod35)
法35の素因子5に関して,z=4 (mod5)であるから,z=5w+4を19z=−14 (mod35)に代入すると
95w+76=−14 (mod35)
95w=−90 (mod35)
19w=−18 (mod7)
法7は素数で,すぐにw=2 (mod7)がみつかる.w=7u+2
x=2y+1
y=2z+1
z=5w+4
w=7u+2
x=2y+1=2(2z+1)+1=4z+3=4(5w+4)+3
=20w+19=20(7u+2)+19=140u+59
以上より,x=59 (mod140)
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