■非正則な素数(その1)

はじめのp-3個のベルヌーイ数のうちのどれか一つの分子を割り切る素数。

37はB32の分子を割り切る

59はB44の分子を割り切る

67はB58の分子を割り切る

691はB12の分子。したがって、691は非正則な素数である。

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【1】クンマーの定理

フェルマーの最終定理の最初のブレークスルーは1851年,クンマーによってなされました.クンマーは円分体の整数論の研究に専念し,正則素数であるすべてのnに対してフェルマー予想が成立することを示したのです.正則素数pはBp-3 までのベルヌーイ数B1,B2,・・・,Bp-3 の分子を割り切ることのできない素数として定義されていて,100以下の非正則素数は37,59,67ですべてですから,この3つの数以外では100までのnに対してフェルマー予想が正しいことが証明されたことになります.

クンマーの定理

フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,

  Bk=0   (mod p)

  0<k<1/2(p−3),B1=0,・・・,Bp-3=0

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[補]ベルヌーイ数の分子の素因数分解は,正則素数の議論に用いられる.奇素数pがベルヌーイ数B1,B2,・・・,Bp-3の分子のいずれをも割り切らないとき「正則素数」,いずれかを割り切るとき「非正則素数」という.100以下の非正則素数は37,59,67(1850年)であるが,1874年には101,103,131,149,159の非正則性も示された.

n  Bnの分子        素因数分解

0  1

1  1

2  1

4  1

6  1

8  1

10  5            素数

12  691          素数

14  7            素数

16  3617         素数

18  43867        素数

20  1746113      =283・617

22  8545513      =11・131・593

24  236364091    =103・224797

26  85531033     =13・657931

28  23749461029  =7・9349・362903

30  8615841276005=5・1721・1001259811

32              37・683・305065927

[1]B22の分子は,p=131を素因数にもつ.

[2]B24の分子は,p=103を素因数にもつ.

[3]B32の分子は,p=37を素因数にもつ.

[4]B44の分子は,p=59を素因数にもつ.

[5]B58の分子は,p=67を素因数にもつ.

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x以下の非正則素数の数をI(x)と記すと   I(x)/π(x)〜1-exp(-1/2)=0.39346・・・ 正則素数の密度はexp(-1/2).イェンゼンは非正則素数が無限個あることを証明した.一方,正則素数が無限個あることはいまだ証明されていない.  マッキントッシュはベルヌーイ数Bp-3の分子を割り切る素数はウォルステンホルム素数であることを示した.ウォルステンホルム素数でいまのところ既知のものは16843と2124679だけで,p=16843,2124679はBp-3の分子を割り切るのである. クンマーの定理により,新たに   x^11+y^11=z^11   x^13+y^13=z^13   ・・・・・・・・・・ の場合の解の非存在がわかったわけですが,たとえば,691の場合,   x^691+y^691=z^691 に自然数解のないことはクンマーの定理からは証明できません.691は非正則素数691であり,ζ(12)/π^12の分子が691で割り切れるからです.

[3,3]→5個、累積誤差5、最大誤差2

[3,4]→2個、累積誤差2、最大誤差1

[3,5]→5個、累積誤差5、最大誤差2

[3,3,3]→25個、累積誤差22、最大誤差4

[3,3,4]→8個、累積誤差14、最大誤差3

[3,3,5]→480個、累積誤差75、最大誤差13

[3,4,3]→16個、累積誤差24、最大誤差6

[3,3,3,3]→129個、累積誤差68、最大誤差6

[3,3,3,4]→50個、累積誤差58、最大誤差5

[3,3,3,3,3]→1028個、累積誤差206、最大誤差9

[3,3,3,3,4]→510個、累積誤差206、最大誤差8

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