■カーマイケル数の特徴づけ
どんな底に対しても
a^p−a
がpで割り切れるとき,それがカーマイケル数である.
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[Q]p1,p2,p3は素数で,
p1=6n+1,p2=12n+1,p3=18n+1
このとき,p1p2p3はカーマイケル数であることを示せ.
[1]p1p2p3≠0 (modp1^2)
[2]p1p2p3≠0 (modp2^2)
[3]p1p2p3≠0 (modp3^2)
[4]p1p2p3=1 (mod6n)
[5]p1p2p3=1 (mod12n)
[6]p1p2p3=1 (mod18n)
であることがいえればよいことになる.
p1p2p3=6・12・18n^3+(6・12+12・18+18・6)n^2+(6+12+18)n+1より,[4][5][6]→OK
p1p2=6・12n^2+(6+12)n+1より[3]→OK
p2p3=12・18n^2+(12+18)n+1より[1]→OK
p3p1=18・6n^2+(18+6)n+1より[2]→OK
これらの条件は,n=1,6,35のとき満たされる.
n=1:7・13・19はカーマイケル数である.
n=6:37・73・109はカーマイケル数である.
n=35:211・421・631はカーマイケル数である.
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ところで,
561=3・11・17
1105=5・13・17
1729=7・13・19
2465=5・17・29
2821=7・13・31
6601=7・23・41
8911=7・19・67
10585=5・29・73です
から,カーマイケル数は少なくとも3つの素因数をもつ.
[Q]カーマイケル数は少なくとも3つの素因数をもつことを証明せよ
(証明)
p1,p2は奇素数で,p1<p2とする.n=p1p2がカーマイケル数であると仮定すると
[1]p1p2≠0 (modp1^2)
[2]p1p2≠0 (modp2^2)
[3]p1p2=1 (modp1−1)
[4]p1p2=1 (modp2−1)
が成り立たなければならない.
1<p1−1<p2−1
p1p2−1=p1(p2−1)+p1−1
より,
p1p2−1=p1−1 (modp2−1)
これは
[4]p1p2−1=0 (modp2−1)
に矛盾.したがって,カーマイケル数は素因数を2つだけもつことはない.→カーマイケル数は少なくとも3つの素因数をもつ.
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