■チェビシュフ多項式と正多角形(その1)

【1】チェビシュフ多項式

 ド・モアブルの定理:

  (cosθ+isinθ)^n=cosnθ+isinnθ

の左辺を2項展開して,両辺の実部,虚部を比較すると

  cosnθ=(cosθ)^n−nC2(cosθ)^n-2(sinθ)^2+・・・=(cosθのn次多項式)=Tn(cosθ)

  sinnθ=nC1(cosθ)^n-1sinθ−nC3(cosθ)^n-3(sinθ)^3+・・・=sinθ×(cosθのn−1次多項式)=sinθ×Un(cosθ)

を得る.

 このことから,cos(π/n),n=2m+1のとき,

  cos(m+1)θ=−cosmθとsin(m+1)θ=sinmθ

では後者の方が方程式の次数が下がり,m次方程式となることがおわかりいただけるであろう.

 なお,

  cosnθ=cosθcos(n−1)−sinθsin(n−1)θ

  sinnθ=sinθcos(n−1)+cosθsin(n−1)θ

より,漸化式

  Tn(cosθ)=cosθTn-1(cosθ)−(sinθ)^2Un-1(cosθ)

  Un(cosθ)=Tn-1(cosθ)+cosθUn-1(cosθ)

  Tn(cosθ)=2cosθTn-1(cosθ)−Tn-2(cosθ)

  Un(cosθ)=2cosθUn-1(cosθ)−Un-2(cosθ)

が成り立つ.

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