■ポアンソの星(その8)
円周上にn点が等間隔に配置されているとき,それらを結んでできる幾何学的図形をポアンソの星という(ポアンソは剛体力学の研究で知られるフランスの数学者).
正n角形では辺も含めてn(n−1)/2本の対角線があるが,nが偶数のときは辺も含めてn/2個の異なる対角線があり,奇数のときは(n−1)/2個の異なる対角線がある.
[Q]正n角形が半径1の円に内接している.すべての辺(n本)と対角線(n(n−3)/2本),合計n(n−1)/2本の長さの平方和(sum of squares)を求めよ.
[A]nが奇数のときも偶数のときもSS=n^2.nのパリティーによって違いを生じない.
これは,正n角形が半径1の円に内接しているとき,
[定理1]ひとつの頂点からでるすべての辺と対角線の長さの2乗和は頂点数の2倍に等しい.
Σ(1,n-1)dj^2=2n
と同値である.
さらに,
[定理2]ひとつの頂点からでるすべての辺と対角線の長さの積は頂点数nに等しい.
Π(1,n-1)dj=n
[定理3]対角線の長さの平方の逆数の和公式
Σ(1,n-1)1/dj^2=(n^2−1)/12
が成立する.
これらを拡張する方向としては,ひとつには次元を大きくすること(単位円→単位球→d次元単位球),もうひとつには指数を大きくすることである(Σ(1,n-1)dj^2=2n→Σ(1,n-1)dj^m=?).
結論をいうと定理1は任意の次元で通用するのに対して,定理2,3は2次元の場合のみで成立する.
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