■ヒーウッドの七色定理(その6)

グラフの種数とは、グラフを辺が交差しないように描画できるようにするために、球面に追加しなければならない取っ手の最小数である。

リンゲルとヤングスが解決した問題は、向き付け可能なグラフの種数と関係している。

たとえば、K5はトーラス面上には描画可能であるが、球面上には描画不可能である(種数1)。

Knの種数がgnならば、n色が必要となるgn個の取っ手をもつ曲面上の地図が存在するということである。

gn=(n-3)(n-4)/12のceiling

であることから、g>1に対して

  H(g)=[{7+√(1+48g)}/2]

が導かれる。

===================================

【11】ヒーウッドの公式

[1]球面上のK4

[2]トーラス面上のK7

[3]種数6表面上のK12

は,ヒーウッドの公式「g個の穴があいているトーラス上の地図はどれも

  H(g)=[{7+√(1+48g)}/2]

色で塗り分けられる」に対応したものである.

  g=(v−3)(v−4)/12

  v^2−7v+12−12g=0

  v=[{7+√(1+48g)}/2]

 以下,

  g=11 → K15

  g=13 → K16

  g=20 → K19

  g=35 → K24

  g=46 → K27

  g=50 → K28

  g=63 → K31

  g=88 → K36

と続く.1+48g型の平方数は無数にあるのだろう.ともあれ,彩色数はオイラー標数とは別の表面の不変量なのである.

===================================