■フォークマン数(その9)
【2】エルデシュ予想
K6の頂点からは5本の線が発せられている.N(1)=2であり,
5>2+2
であるから最低でも2色のうちどれかひとつの色は3回出現している.それが赤だと仮定する.この線分の先端にある3点のうち2点が赤で結ばれていたとすれば赤い三角形を形成する.どの2点も赤で結ばれていないとすると青い三角形を形成する.N(2)=5
K17の頂点からは16本の線が発せられている.N(2)=5であり,
17>5+5+5
であるから最低でも3色のうちどれかひとつの色は7回出現している.それが赤だと仮定する.この線分の先端にある7点のうち2点が赤で結ばれていたとすれば赤い三角形を形成する.どの2点も赤で結ばれていないとすると別色の三角形を形成する.N(3)=16
K66の頂点からは65本の線が発せられている.N(3)=16であり,
65>16+16+16+16
であるから最低でも4色のうちどれかひとつの色は17回出現している.それが赤だと仮定する.この線分の先端にある17点のうち2点が赤で結ばれていたとすれば赤い三角形を形成する.どの2点も赤で結ばれていないとすると別色の三角形を形成する・・・.
N(1)=2,N(2)=5,N(3)=16,・・・
以上を一般式の形で表したものが,
N(q)≦Σq!/k!
である.
N(1)≦1+1
N(2)≦2N(1)+1
N(3)≦3N(2)+1
・・・・・・・・・・・・
N(q)≦qN(q−1)+1
したがって,
N(q)≦1+q+q(q−1)+・・・+q!+q!≦Σq!/k!
こうして,エルデシュは
N(q)=q!Σ1/k!
と予想している.これによると,N(4)=65であるが,K65に対する良い4配色は見いだされていない.つまり,N(4)=65であると証明されているわけではないことに注意.
N(q)はラムゼー理論と密接な関係にあるが,高次ラムゼー数の大多数はまだ知られていない.たとえば,49個の頂点がある完全グラフK49のすべての辺や対角線を赤線か青線で結ぶとき,この図形には5点をつなぐ線がすべて赤か,すべて青の五角形が存在することが知られている.42個の頂点がある完全グラフK42のすべての辺や対角線を赤線か青線で結ぶとき,この図形には5点をつなぐ線がすべて赤か,すべて青の五角形が存在しないことが知られている.その間隙は埋まらないのである.
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[補]
K6の2色着色では単色三角形が少なくとも2個含まれる.
K7の2色着色では単色三角形が少なくとも4個含まれる.
Knの2色着色では単色三角形が少なくとも△個含まれる.
頂点iに結合している赤辺の数をriとすると,青辺の数はn−1−ri
単色三角形の数は
△=nC3−1/2・Σri(n−1−ri)
△≧nC3−[n/2[{(n−1)/2}^2]]
n=6のとき
△≧20−[3[25/4]]=2
n=7のとき
△≧35−[7/2[18]]=4
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