■整数の拡大と素因数分解の一意性(その13)
【3】ガウスの整数環(1)
ガウスの整数
Z[i]={m+ni|m,nは整数}
には,±1,±iの4個の単数があります.ガウス整数は正方形の対称性をもつ正方格子をなします.単数を除いて,素因数分解の一意性が成立します.4k+3型素数はZにおいても素数ですが,2と4k+1型の素数はZで因数分解できます.4で割って1余る素数は,複素数(ガウスの整数環)に範囲を広げると素数であり続けることはできず,分解されてしまうのです.
2=(1+i)(1−i)=i(1−i)^2
5=(2+i)(2−i)
13=(2+3i)(2−3i)
17=(4+i)(4−i)
29=(5+2i)(5−2i)
2および4k+1型素数はガウス素数の積に分解されます.4k+1型の素数は
p=a^2+b^2=(a+bi)(a−bi)
と分解されるので素数ではなくなるというわけです.
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【1】アイゼンシュタインの整数環(1)
アイゼンスタインの整数
Z[ω]={m+nω|m,nは整数},ω=(−1+√−3)/2
には,6つの単数
±1,±ω,±ω^2
があり,正六角形の対称性をもつ三角格子をなします.単数を除いて,素因数分解の一意性が成立します.
2と6k+5型素数はZ[ω]においても素数ですが,3と6k+1型の素数はZで因数分解できます.
3=(1−ω)(1−ω^2)=(1+ω)(1−ω)^2=(1−ω)(2+ω)
7=(2−ω)(2−ω^2)
13=(3−ω)(3−ω^2)
19=(3−2ω)(3−2ω^2)
37=(4−3ω)(4−3ω^2)=(4−3ω)(7+3ω)
1729=7・13・19
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これらのことからpk+1型素数はガウス素数・アイゼンシュタイン素数の拡張物の積に分解できるのではないか?
という予想に到達する。本当だろうか?
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