■導関数を持たない連続関数の存在証明 (阪本ひろむ)
導関数を持たない連続関数はvan der Waerdenによって存在が示された.以下,数を10進法表記することによる存在証明を掲げる.
[参]リース・ナジー「関数解析学」
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xにもっとも近い整数を{x}で表す。
f(x)=Σ(0,∞){(10^n)x}/10^n・・・(1)
とする。それぞれの項は連続関数で、各項の絶対値が10^(-n)をこえないから、(1)の右辺は一様収束、従って連続。
0<=x<1の各点で微分可能でないことを示せばよい。
x=0.a1 a2 a3 ・・・・
と表現する。xが有限小数の場合、無限小数でも表現できるが、この場合,前者を採用することにする。
x<=1/2のとき、
{10^n x} =0.a(n+1) a(n+2) a(n+3)
x>1/2のとき、
{10^n x} =1-0.a(n+1) a(n+2) a(n+3)
am が4または9のとき hm=-10^m,そうでないときhm=10^mとおくと
(f(x+hm)-(x))/hm・・・(2)
は
10^m Σ(0,∞) ±({10^n(x±(10^-m)})-{(10^n)x})/10^n
この級数のそれぞれの項はn>=mで0,n<mのとき ±1であるから、(2)の値は整数。mが奇数、偶数であるかによって、符号が入れ替わるから(2)は m->∞のとき収束しない。
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【雑感】これと同様の証明は、二進法でできるだろうか?
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