■フラクタル構造と非微分可能曲線(その9)

フラクタル構造はいたるところで微分不可能な連続曲線という病理的な性質をもっている.今回のコラムでは導関数をもたない連続関数について考察する.

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【1】ワイエルシュトラスの例

 いかなるところでも微分可能でない関数の最初の例はワイエルシュトラスに負っている.

[1]0<a<1,ab>1+3π/2=5.712,bは奇数.このとき

  Wa,b(t)=Σ(0,∞)a^ncos(b^nπt)

例として、a=9/10,b=7の条件下ではグラフはかなり激しく動く形状となる。

いたるところ微分不可能な連続関数になるための条件を、どれだけ緩めることができるだろうか?

1916年にハーディが与えた答えは

0<a<1,ab>=1

例として、a=1/2,b=2は穏やかな挙動を示す。

s(x)=sin^2(πx/2)

S(x)=ΣS(2^nx)/2^n

とすると,倍角の公式cos2θ=1-2sin^2θより

W1/2,2(t)=2-4S(x/2)

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