■ガンマ関数とボーア・モレルップの定理(その3)
階乗関数は
(n+1)!=(n+1)・n!
で再帰的に計算できる.
1!=1
2!=2・1=2
3!=3・2・1=6
4!=4・3・2・1=24
オイラーはこれを正の実数にまで拡張できないかと考えた.
f(x+1)=x・f(x)
階乗の解析的補間には多くの候補があるが,結果として得られる関数が「よい性質」を持つようにしたい.よい性質として,関数logf(x)が凸関数になるという条件を付加すると,以下に述べるガンマ関数が
f(x+1)=x・f(x)
を満たす唯一の関数であるというのが,ボーア・モレルップの定理である.
まず、ガンマ関数が1729年にオイラーによって定義され、1922年にガンマ関数が階乗の唯一の拡張であることが示された。この一意性定理がボーア・モレルップの定理というわけである。
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【1】ガンマ関数
Γ(x)=∫(0,∞)t^(x-1)e^-tdt x>0
この無限積分をxの関数とみてガンマ関数Γ(x)といいます.
Γ(1)=∫(0,∞)e^-tdt=1
Γ(1/2)=∫(0,∞)t^(-1/2)e^-tdt
ここで,t=u^2とおくとint(0,∞)e^-u^2/2du=√π/2(ガウス積分)より
Γ(1/2)=√π
が得られます.
オイラーの第2種積分とも呼ばれるガンマ関数Γ(x)には,Γ(x+1)=xΓ(x)の関係があり,次のような漸化式が成り立ちます.
Γ(x+1)=xΓ(x)=x(x-1)Γ(x-1)=・・・・
したがって,xが正の整数nのときには
Γ(n+1)=n!が成り立ち,ガンマ関数は階乗の一般形となっていることがわかります.階乗の解析的補間をしている関数がガンマ関数なのです.
ガンマ関数はx>0において,x=1.461321・・・のとき,最小値0.885603・・・をとる.
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