■sin15°(その21)

【1】無理数の発見(ピタゴラス)

ピタゴラス数は

  x^2+y^2=z^2

を満たす自然数の三つ組み(x,y,z)のことです.幾何学的には直角三角形の斜辺の長さの2乗は他の2辺の長さの2乗の和に等しいことをいっていて,これを満たす三つ組み(x,y,z)は無限にありますが,最初の1組は(3,4,5)になります.3辺の長さの比が3:4:5の直角三角形は代表的かつ最小のピタゴラス三角形ですから,ピタゴラス三角形の大家族の元祖という意味で,エジプト三角形と呼ばれることもあります.ほかに(5,12,13),(7,24,25),(29,420,421)など

直角二等辺三角形(1,1,a)では

  a^2=1+1=2

が成り立ちます.2の平方根は代数方程式a^2=2を満たす正の数ですが,aは1よりも大きく,2よりも小さいので,分数になるとすると

  (7/5)^2=1.96

  (707/500)^2=1.999396

  (7072/5000)^2=2.00052736

ところが,2乗して2になる分数は存在しないのです.

√2〜1.14142・・・

√2〜1.141421356・・・

√2〜1.141421356237・・・

√2〜1.414213562373095・・・

と数字は無限につづき,さらに

  3/7=0.428571428571428571・・・

(循環節:428571)のような巡回性もありません.

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