■メルセンヌ素数予想(その17)

メルセンヌ素数に関する予想は,メルセンヌ素数以上にある.そして、大きなメルセンヌ素数を発見することによって,その分布についての新しい予想が打ち立てられる

メルセンヌ素数に対するWagstaff予想とは、

[1]x以下のメルセンヌ素数の個数は

  およそexp(γ)/log2・loglogxである。

[2]xと2xの間にあるメルセンヌの素数2^p-1の期待値はおよそγである。

[参] 杉岡幹生・武捨貴和「初等数学によるゼータ関数の探求」

しかし、命題

[2]xと2xの間にあるメルセンヌの素数2^p-1の期待値はおよそγである。

の命題に問題がありそうである。

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[1]メルセンヌ数の因数の数はポアソン過程によって決定されていると仮定することで、

ギルはオクターブ間隔(x,2x)、平均的におよそ倍の区間にあるすべての素数は,メルセンヌ素数を生ずると想定した。

もっと正確にいうと

 Mp=2^p−1を生じるpに近い素数密度は

  2/plog2

に漸近する。

[2]ワグスタッフは,オクターブの区間にある素数pの期待値はexpγ=1.78・・・であるとした。

こうして、正しい漸近密度は

  expγ/plog2

となる。

[3]これとpに近い一般的な素数密度1/logpを比較してみると

  p/expγlog2p

の素数密度となり,平均してそのひとつの素数がメルセンヌ素数となる.

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