■ペリトロコイド曲線(その5)
【1】包絡線の求め方
パラメータ表示された曲線:x=x(β,θ),y=y(β,θ)が与えられている場合,パラメータβが微小変化するとき,包絡線に接しているある点における接線の傾きは
dy/dx=(∂y/∂β)/(∂x/∂β)
で,この傾きの曲線に沿ってx方向に∂x/∂β,y方向に∂y/∂β変化します.
パラメータθが動くときも同様で,
dy/dx=(∂y/∂θ)/(∂x/∂θ)
したがって,
(∂y/∂β)/(∂x/∂β)=(∂y/∂θ)/(∂x/∂θ)
(∂y/∂β)(∂x/∂θ)−(∂y/∂β)(∂x/∂θ)=0
が成り立てば接線に沿って動いていくことになります.この点の軌跡が求める包絡線にほかなりません.
ペリトロコイド曲線の運動族
x=Rcos(β+γ−θ)+acos((n−1)β−θ)+acos((n−2)θ)
y=Rsin(β+γ−θ)+asin((n−1)β−θ)+asin((n−2)θ)
に対して
(∂y/∂β)(∂x/∂θ)−(∂y/∂β)(∂x/∂θ)=0
を計算すると
θ=β−2/(n−1)arctan(Rsin((n−2)β−γ)/(Rcos((n−2)β−γ)+(n−1)a))
となって,包絡線は1パラメータ曲線:x=x(β),y=y(β)となります.
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【2】ローター曲線
ロータリーエンジンはペリトロコイド曲線と包絡線を基本形状として設計されますが,ローターとなるのは内包絡線だけですから,外包絡線部分を除いてやる必要があります.そのための条件として
Rcos((n−2)β−γ)+(n−1)a=0
を用います.
一般のパラメータtを用いると,曲率は
κ(t)=(x’y”−x”y’)/(x’^2+y’^2)^(3/2)
曲率半径は1/κ(t)で与えられます.ルーローの三角形の弧は円弧ですから曲率半径は一定です.この円弧と比較してみると,ローターの弧の中央部はルーローの三角形の弧よりも曲率が小さいことが計算されます.
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