■三角形の心(その8)

三角形の5心とは内心,傍心,重心,外心,垂心を指しますが,古代ギリシャ人は5心について知っていました.その1500年後,フェルマー点が発見され,さらに1〜2世紀後に9点円の中心,その次がジェルゴンヌ点,19世紀にはいるとナーゲル点やブロカール点などが発見されました.

本日行われた直観幾何学研究会において、佐藤健治先生(玉川大)の発表では

三角形の重心と外心は、同時に三角形の内部にあるか、辺上にあるか、外部にあるかのいずれかであることを講演された。

それに対する質問が寄せられたのだが・・・

[Q]ド・ロンシャン点が何処に?

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[1]ド・ロンシャン点

 外心に対する垂心の対称点をド・ロンシャン点と呼びます.△ABCの各頂点を通って対辺に平行な直線を引き,その交点をG,H,Iとします.△GHIを大三角形と呼ぶことにすると,両者の重心とオイラー線は一致します.もとの三角形の垂心は大三角形の外心に,外心は9点円の中心に,ド・ロンシャン点は垂心になります.

 このことが3本の垂線が1点で交わる証明にもなっています.ついでながら,△ABCの各辺の中点をD,E,Fとすると,△ABCの内心は△DEFの外心となっていることを申し添えておきます.

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