■空間の因数分解(その3)

経路母関数と円分多項式

3次元の切頂八面体{3,3}(1,1,1)、大菱形立方八面体{3,4}(1,1,1)、大菱形20・12面体{3,5}(1,1,1)のステップ数はそれぞれ6,9,15になるが、途中経過まで含めて、直径の両端点を結ぶ経路の母関数を求めてみると、それぞれ、係数が対称に配置された多項式

1+3x+5x^2+6x^3+5x^4+3x^5+x^6

1+3x+5x^2+7x^3+8x^4+8x^5+7x^6+5x^7+3x^8+x^9

1+3x+5x^2+7x^3+9x^4+11x^5+12x^6+12x^7+12x^8+12x^9+11x^10+9x^11+7x^12+5x^13+3x^14+x^15

が得られる。これらは因数分解することができて、

(1+x)(1+x+x^2)(1+x+x^2+x^3)

(1+x)(1+x+x^2+x^3)(1+x+x^2+x^3+x^4+x^5)

(1+x)(1+x+x^2+x^3+x^4+x^5)(1+x+x^2+x^3+x^4+x^5+x^6+x^7+x^8+x^9)

ここで、Φn(x)=(1-x^n)/(1-x)と定義すると

Φ2(x)Φ3(x)Φ4(x)

Φ2(x)Φ4(x)Φ6(x)

Φ2(x)Φ6(x)Φ10(x)

と簡潔に表現される。たとえば、Φ2(x)Φ3(x)Φ4(x)は切頂八面体の2回・3回・4回回転対称性を意味していると解釈することができる。このことは、経路母関数が後述する群の対称性を表す固有方程式と同じ意味をもっていることを示している。

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