■ペリトロコイド回転(その3)

複素変数zの関数

 f(z)=z^3-6z^2+9z-4=0

において、zは複素平面上に(その1)に掲げたような回転経路を描く。

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zが原点を中心とした半径t≧0の円上を反時計回りに動くとき、複素平面上に描く経路を考える。

この円の内部のすべての複素数zに対してf(z)≠0であれば、fの回転数ω=ω(t)をこの経路が原点の周りをまわっている回数として定義することができる。

ωは原点とf(z)を結ぶ直線が掃く角度を表していて、2πの倍数になる。

半径t=0なら円は原点となり原点の像f(0)は定数-4であるから、この経路は原点の周りをまわらない。ω(0)=0

t>8とすると|f(z)-z^3|=|-6z^2+9z-4|≦6|z|^2+9|z|+4が成り立つが、

これはt^2(6+9/t+4/t^2)<8t^2<t^3=|0−z^3|

したがって、|f(z)-z^3|<|0−z^3|原点からz^3までの距離より小さい。

→これらの回転数は等しく、z^3の回転数は3なので、t>8ではω(t)=3

→|z|>8ではf(z)≠0を意味する。

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