■リンク機構(その5)

【8】コペルニクスの逆定理

(Q)円周mの大円がある.この円に内接しながら円周1の小円が転がるとき,1周するまでに小円は何回転するか? また,外接しながら転がるときは何回転するか?

(A)論より証拠,実際にやってみるとそれぞれm−1回転,m+1回転する.もちろん円周の内側と外側で長さが違うわけではない.パップス・ギュルダンの定理をもちだすまでもなく,この問題のポイントは,小円が自転しながら同時に1公転していることにある.また,大円は任意の閉曲線としても構わない.

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ここで,「コペルニクスの定理」の主従を逆転させてみます.

(Q)大円(半径R)の内部に半径r=R/2の小円が入っているとする.大きい円(動円)が固定された小さい円(定円)に接しながら滑ることなく小さい円に沿って回転すると,大円上の直径の両端はどのような軌跡を描くか?

(A)一般に,大円(半径R)の内部に半径r(<R)の小円が入っているとする.大きい円(動円)が固定された小さい円(定円)に接しながら滑ることなく小さい円に沿って回転すると,動円上の定点(たとえば,直径の両端点)はペリトロコイドを描く.r=R/2の場合,動円の回転の向きによって,カージオイドを描く・デルトイドを描くことになる.

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