■ハサミムシの翅(その3)

昆虫の翅の折り畳みは一般にコンパクトなものですが、最もコンパクトなのがハサミムシの翅だそうで、その折り畳みの仕組みを解明したという記事です。

九州大学の研究者・斎藤一哉先生によるですが、質問形式の記事は長いので、一部を端折った記事(FNNプライムオンライン編集部)と原著論文

Earwing fan designing: Biomimetic and evolutionar biology applications

PNAS, 30, 17622-17626, 2020

を紹介しておきます。時間のある時に、息抜きに閲覧頂ければと思います。

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【5】今回の解明の特徴を教えて?

難解だと思われてた折線パターンが、実は簡単な規則で設計できることが分かった点。?・その規則が3億年近くもの長い間(翅の形や折り畳み方が変わっても)、進化の中で守られ続けていることがわかった点。

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【6】反響はどう?

展開図を手書きで作図する動画を公開したのですが、パソコンを使わずに定規とコンパスだけで再現したことに驚かれた方が多かったです。

ちょうど幾何学を勉強している中学生や高校生に、今やっていることがモノづくりや自然を観察する上でどんな役に立つのかを教えることができたら嬉しいな、と思いました

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【7】解明した今、その構造を持つハサミムシを改めてどう思う?

「折り畳む」という課題に対する一つの進化の到達点なのではないかと思います。広げた翅の美しさにも感動しました。

提案した幾何学モデルと実際のハサミムシの翅の折線がぴたりと一致したときは、自分でも驚き、自然は折り紙を知っているんだな、と感動しました。

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