■掛谷宗一(その3)

【3】星状図形に対する掛谷の問題

ところが,掛谷の問題はこれで終わりではなかった・・・掛谷の問題を星状図形に制限すると,どうなるのだろうか? 

1971年,カニンガムによって,針の回転の可能な星状図形の面積は必ずπ/108以上であることが証明された.すなわち,ベシコヴィッチ型定理は存在しないのである.

ベシコヴィッチの論文がでた1927年以降も,最小の星状図形はデルトイド(面積:π/8)であると信じられていました.ところが,これらより面積が小さい図形が考えだされました.デルトイドが3個の尖点をもっていることに着目すると,n(>3)個の尖点をもつ図形を考えることができるのです.

[1]アステロイド型の星状図形では,<π/8(デルトイド)を与えることができる.

[2]円弧型の星状図形では

  (5-2√2)π/24=0.2842582246・・・<π/11

を与えることができる.

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星状図形に対する掛谷の問題は未解決(実解析学における未解決問題)ですが,

  (5-2√2)π/24=0.2842582246・・・<π/11

は現在知られている最適値であって,掛谷定数と呼ばれている.

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