■ポアンソの星(その2)

【2】正n角形の辺と対角線の長さの平方和

[Q]正n角形が半径1の円に内接している.すべての辺(n本)と対角線(n(n−3)/2本),合計n(n−1)/2本の長さの平方和(sum of squares)を求めよ.

[ヒント]n=4のとき,辺の長さ√2(4本)と対角線の長さ2(2本)である→平方和SS=16.n=6のとき,辺の長さ1(6本)と対角線の長さ√3(6本)と2(3本)である→平方和SS=36.

 n=3のとき,辺の長さ√3(3本)→平方和SS=9.n=2のときは,直径の長さ2(1本)であるから,平方和SS=4.

[A]辺も含めてすべての対角線の長さの平方を合計する場合,n個の頂点をもつのでn×SSといきたいところであるが,nが偶数のときは直径を重複して数え上げるので,その分を差し引くと

  n(n+2)−2n=n^2

[1]nが奇数のとき,SS=n^2

[2]nが偶数のとき,SS=n^2

 nのパリティー(奇数か偶数か)によって違いを生じない.すなわち,nが偶数か奇数かのケースにわける必要はなく,しかも,コラム「正多角形の対角線の交点数」に掲げた交点数公式ほど荘厳でいかめしいものでもない.この美とエレガンス(気品)を鑑賞していただけたであろうか.

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