■整数の表現(その24)
【4】モジュラー形式
zが上半平面上を動く変数であるとき,
q(z)=exp(2πiz)
は原点を中心として半径1の単位円板から原点を除いた穴あき単位円板上を動く.
exp(−iθ)=cosθ+isinθ
exp(−πi)=−1
exp(−2ππ)=1
より
q(z+1)=q(z)
すなわち,周期1をもつという性質がある.
さらに,
a0+a1q+a2q^2+・・・+anq^n+・・・
a-mq^ーm+・・・+a-1q^ー1+a0+a1q+a2q^2+・・・+anq^n+・・・
は,周期1をもつ上半平面上の関数である.
f(z)がy→∞のとき,良い振る舞いをすると仮定すると
f(z)=a0+a1q+a2q^2+・・・+anq^n+・・・
f(z+1)=f(z)
また,f(z)のq展開において,負の指数がないとき,モジュラー形式
f(z)=a0+a1q+a2q^2+・・・+anq^n+・・・
a0=0であるとき,カスプ形式
f(z)=a1q+a2q^2+・・・+anq^n+・・・
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【5】保型形式
zが上半平面上を動く変数であるとき,
γ(z)=(az+b)/(cz+d),ad−bc=1
は上半平面上の関数である.
T=[1,1],T(z)=z+1 (平行移動)
[0,1]
S=[0, 1],S(z)=−1/z (反転)
[−1,0]
f(γ(z))=(cz+d)^kf(z)
を重みkの保型形式という.
f(z+1)=f(z)
f(−1/z)=z^kf(z)
を満たす.
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