■解析(その12)
【2】ピアノ線の形
ピアノ線(弾性曲線)を曲げたときにできる形について考えてみることにしましょう.弾性曲線の問題では,弾力のある素材からできていて,ひものように容易に曲がったり,ゴムひものように伸び縮みするわけでもないわけですから,数学的には曲線の長さ:
L[y]=∫(1+(y')^2)^1/2dx
を固定して,弾性エネルギー:
E[y]=∫(y")^2/(1+(y')^2)^5/2dx
を最小にするy(x)を求めることになります.
この解は楕円関数になることが知られています.楕円関数はフェルマー予想の解決で注目された曲線ですが,弾性曲線や最大容積回転体の変分問題の解を数学的に表現したものになっていて,歴史的にみて,これらの変分問題は楕円関数の研究動機のひとつとなったということができましょう.
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