■正多胞体(その3)
【2】4次元の正多胞体
シュレーフリは,シュレーフリ記号を一般化してn−1次元の正多胞面体{p1,p2,・・・,pn-2}が2次元低い構成要素上にpn-1個ずつ会するようなn次元多胞体を{p1,p2,・・・,pn-2,pn-1}で表した.たとえば,{p,q,r}は{p.q}が辺の回りにr個ずつ集まってできる4次元正多胞体という意味である.
シュレーフリはこれを利用して4次元の正多胞体をすべて決定した.4次元正多胞体の候補となるのは,3次元正多面体の二面角が120°未満のものに限られるから,
[1]{3,3}を用いるならば,ひとつの辺にそれを3個,4個,5個集めることができる→{3,3,3},(3,3,4},{3,3,5}
[2]{3,4}を用いるならば,ひとつの辺にそれを3個集めることができる→{3,4,3}
[3]{4,3}を用いるならば,ひとつの辺にそれを3個集めることができる→{4,3,3}
[3]{5,3}を用いるならば,ひとつの辺にそれを3個集めることができる→{5,3,3}
4次元正多胞体は最大でも6つしかないことになる.それらは{p,q,r}={3,3,3},{3,3,4},{3,3,5},{3,4,3},{4,3,3},{5,3,3}の6通りで,それぞれ,正5胞体,正16胞体,正600胞体,正24胞体,正8胞体,正120胞体に対応している.正24胞体{3,4,3}は正8面体{3,4}が各辺の周りに3個ずつ集まってできる4次元特有の正多胞体である.
5次元にも拡張するために,4次元正多胞体の二胞角δを計算すると
{3,3,3}→cosδ=1/4 (δ=75.5°)
{3,3,4}→cosδ=−1/2 (δ=120°)
{3,3,5}→cosδ=−(1+3√5)/8 (δ=164.5°)
{3,4,3}→cosδ=−1/2 (δ=120°)
{4,3,3}→cosδ=0 (δ=90°)
{5,3,3}→cosδ=−(1+√5)/4 (δ=144°)
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