■正多面体(その3)

【3】アルキメデス立体

正多面体が1種類の正多角形(正3角形,正方形,正5角形)だけでできているのに対して,2種類以上の正多角形から構成されている立体が準正多面体で,プラトンの立体に対してアルキメデスの立体(Archimedean solid)とも呼ばれています.準正多面体の概念を提出し,それを分類したのはアルキメデスでしたが,その著作は消失し,17世紀になってケプラーが準正多面体の概念と分類を再発見しました.

 準正多面体は面が正則(正多角形),各頂点が一様(同じ種類の面が同じ数集まって巡回的順序になっている)な凸多面体と定義されますから,各頂点にp1角形,p2角形,・・・pk角形の順に会する準正多面体は(p1,p2,・・・pk)で表されます.(3,6,6),(4,6,6),(5,6,6),(3,8,8),(3,10,10),(4,6,8),(4,6,10),(3,4,3,4),(3,5,3,5),(3,4,4,4),(3,4,5,4),(3,3,3,3,4),(3,3,3,3,5)の13種類あります.

サッカーのボールは正五角形12個と正六角形20個を貼り合わせてできていますが,アルキメデスの立体はサッカーボールですでにおなじみでしょう.頂点周りの面配置は(5,6,6)で表されます.この準正多面体は正20面体の各頂点からのびている5本の辺をそれぞれ1/3の長さの所で切り取り,五角錐をはずした姿であり,切頂二十面体とも呼ばれます.

大菱形20・12面体(4,6,10)は30個の正方形,20個の正六角形,12個の正十角形からなる壮観なアルキメデス立体です.また,ねじれ立方体(3,3,3,3,4)とねじれ十二面体(3,3,3,3,5)の2つは3次方程式に帰着され,定規とコンパスでは作図可能でないという意味で他とは異なっている異端児です.

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