■数学と科学と芸術と(その4)

【4】ダリと4次元超立方体

立方体を展開すると正方形が6つできるように,正8胞体を展開すると立方体が8つできます.画家サルバトール・ダリが1954年に描きあげた「磔刑(超立方体的人体)」では,古典的なキリストの磔刑図と展開した正8胞体を組み合わせることで,3次元世界と4次元世界を同時に描こうとしています.ダリは高次元の存在という観点から,宗教と物理的世界を結びつけるために4次元を使ったのです.

また,「最後の晩餐(1955年)」では黄金比が,宇宙のシンボルとされる正12面体の形で取り入れられています.正五角形の窓の外にはダリの生まれ故郷カタルーニャの風景を見ることができます.

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