■射影幾何(その4)
【4】3次曲線の性質
さらに,パスカルの定理には3次曲線の構造がはいることが明らかになりました.3次曲線とはf(x,y)=0が2変数x,yの3次あるいは3次以下の方程式で与えられた曲線
a1x^3+a2y^3+a3xy^2+a4x^2y+a5x^2+a6y^2+a7xy+ax8+a9y+a10=0
で,項数は10になります.4次曲線は項数15,5次は項数21・・・平面内n次曲線f(x,y)=0の一般式の項数は,重複組み合わせ
3Hn=n+2Cn=(n+2)(n+1)/2
で計算されます.
n次平面代数曲線の方程式f(x,y)=0は,(n+1)(n+2)/2個の係数をもっていますが,定数を掛けても曲線は変わりませんから,n次曲線は(n+1)(n+2)/2−1=n(n+3)/2個のパラメータに依っていることになります.そこで,平面内に与えられたn(n+3)/2個の点(xi,yi)を通るという条件によって曲線を決定するという問題が自然に提起されます.
たとえば,オイラーの定理とは「2つの3次曲線が9点で交わっているとき,9個の交点のうち8個を通る3次曲線は残りの1点をも通る」というものですが,一般に,2つのn次曲線f(x,y)=0とg(x,y)=0がn^2個の点で交わっているとします.これらのn^2個の交点中,n^2+n−2個の交点を通るn次曲線は残りのn−2個の点も通り,その曲線は
f(x,y)+tg(x,y)=0
で表されます.
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