■代数幾何(その9)
【4】ヴィーフェリッヒの定理
次のブレークスルーは,ヴィーフェリッヒの定理(1909年)です. 「フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,pはヴィーフェリッヒ素数であることが必要である」
ヴィーフェリッヒ判定基準とは
(2^(p-1)−1)/p=0 (mod p)
すなわち,2^(p-1)−1はp^2で割り切れるというものです.フェルマーの小定理より(2^(p-1)−1)/pは整数となりますが,非常に稀にこの整数がpの倍数になることがあり,そのときpをヴィーフェリッヒ素数といいます.
ヴィーフェリッヒの定理
フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,pはヴィーフェリッヒ素数であることが必要である.
(2^(p-1)−1)/p=0 (mod p)
ヴィーフェリッヒ素数はp=1093,3511が知られています.2つのヴィーフェリッヒ素数−1を2進数に変換すると
1092=10001000100
3510=110110110110
のように奇妙なパターンがみられるのだそうです.
ヴィーフェリッヒの定理により,フェルマーの最終定理の証明は驚くほど簡単になりました.6・10^9以下ではp=1093,3511だけがこの判定基準を満たし.xyzがpで割り切れない場合,この2つについてだけ調べればよいことになるからです.
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【5】ミリマノフの定理
1910年,ミリマノフは
「フェルマー方程式x^p+y^p=z^pが非自明解をもつためには,pはミリマノフ素数であることが必要である」をつけ加えています.
(3^(p-1)−1)/p=0 (mod p)
すなわち,3^(p-1)−1はp^2で割り切れるというものですが,(3^(p-1)−1)/pが整数となるpとしてp=11,1006003が知られています.また,5^(p-1)−1がp^2で割り切れるpとしてはp=188748146801が知られています.
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