■円周率(その1)

最も広く知られた数学記号π(3.14159・・・)は,円周の直径に対する比を表します.紀元前1800年から今日までほぼ4000年の間,πの値を一層精密に決定しようとする試みが継続してなされてきました.πのより精確な値の追求は今日でも高性能の計算機を使って続けられています.

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【1】円周率の古代史

いまから2000年以上も前の紀元前3世紀,アルキメデスは円に内接・外接する正96角形による計算から

  3・10/71<π<3・1/7

  223/71<π<22/7

  3.14084<π<3.142858

より,π=3.14という近似値を求めています.

アルキメデスはπの攻略法を初めて考案した人物ですが,まず,半径1の円に内接・外接する2つの正六角形を描きました.単位円に内接する正n角形の周長は

  L1=2nsin(π/n)

また,外接する場合,

  L2=2ntan(π/n)

ですから,n=6のとき

nsin(π/n)<π<ntan(π/n)

6・1/2<π<6/√3

3<π<2√3

 これだけでπの値は

  3<π<2√3=3.46

が得られます.

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