■無理数(その5)

【5】背理法を使った無理数性の証明

[6]α=√2+√3は無理数である

  α−√2=√3

の両辺を2乗して,√2について解くと

  √2=(α^2−1)/2α

αが有理数だと仮定すると,√2も有理数であることになり矛盾.

[7]α=3√2+√2は無理数である

  α−√2=3√2

の両辺を3乗して,√2について解くと

  √2=(α^3+6α−2)/(3α^2+2)

αが有理数だと仮定すると,√2も有理数であることになり矛盾.

[8]α=√2+√3+√5+√7は無理数である

  α=√2+√3+√5+√7が有理数と仮定する.

  √5+√7=α−(√2+√3)

  12+2√35=α^2−2(√2+√3)α+5+2√6

  2√35=α^2−2(√2+√3)α−7+2√6

この両辺を2乗すると

  a√2+b√3+c√6=d   (a,b,c,dは有理数)

の形になる.

  a√2+b√3=d−c√6   (a,b,c,dは有理数)

  2(ab+cd)√6=d^2+6c^2−2xa^2−3b^2

ab+cd≠0の証明は割愛するが,αが有理数だと仮定すると,√6も有理数であることになり矛盾.

一般に,mkを平方数ではない自然数,ckを有理数とするとき,

  α=√m1+√m2+・・・+√mrは無理数である

  α=c1√m1+c2√m2+・・・+cr√mrは無理数である

[9]log102は無理数である

 有理数,したがって

  log102=p/q

と書けると仮定すると

  qlog102=p→2^q=10^p=2^p・5^p

同じ数について2通りの素因数分解ができることになり矛盾.

[10]log3/log2は無理数である.

 log3/log2は有理数であると仮定する.

  log3/log2=p/q → 2^p=3^q → 矛盾

===================================