■素数性判定(その5)
ところで,
561=3・11・17
1105=5・13・17
1729=7・13・19
2465=5・17・29
2821=7・13・31
6601=7・23・41
8911=7・19・67
10585=5・29・73です
から,カーマイケル数は少なくとも3つの素因数をもつ.
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[Q]カーマイケル数は少なくとも3つの素因数をもつことを証明せよ
(証明)
p1,p2は奇素数で,p1<p2とする.n=p1p2がカーマイケル数であると仮定すると
[1]p1p2≠0 (modp1^2)
[2]p1p2≠0 (modp2^2)
[3]p1p2=1 (modp1−1)
[4]p1p2=1 (modp2−1)
が成り立たなければならない.
1<p1−1<p2−1
p1p2−1=p1(p2−1)+p1−1
より,
p1p2−1=p1−1 (modp2−1)
これは
[4]p1p2−1=0 (modp2−1)
に矛盾.したがって,カーマイケル数は素因数を2つだけもつことはない.→カーマイケル数は少なくとも3つの素因数をもつ.
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【3】カーマイケル数8911
8911=7・19・67はカーマイケル数で,底を2〜aに取り替えても一切反応しません.
(証明)
a^6=1 (mod7)
a^18=1 (mod19)
a^66=1 (mod67)
より,
a^8910=(a^6)^1485=1 (mod7)
a^8910=(a^18)^495=1 (mod19)
a^8910=(a^66)^135=1 (mod67)
つまり
a^8910=1 (mod8911)
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【4】カーマイケル数は無数にある
最小のカーマイケル数は561=3・11・17であるが,以下,
1105,1729,2465,2821,6601,8911,10585,・・・
と続く.カーマイケル数が無限にあるのか否かは長く不明であったが,1994年,アールフォルス,グランヴィル,ポメランスは十分大なるxについて>x^2/7であることを示し,無限に存在することが証明されている.
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