■1105
パロディを一席・・・医者の藤佐(ふじさ)が数学者・山秋(やまあき)に会いに行ったとき,タクシーナンバーが1105という何の変哲もない数であったと彼に伝えたところ,山秋は1105は2つの2乗数で4通りに表せる最小の数だと答えたという.
たしかに
1105=4^2+33^2=12^2+31^2
=24^2+23^2=32^2+9^2
と書き表すことができるが,どうすればそんなことに気づくことができるのだろうか?
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【1】フィボナッチの等式
フィボナッチの等式としてよく知られている恒等式
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac−bd)^2+(ad+bc)^2
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac+bd)^2+(ad−bc)^2
が正しいことは簡単に確認できます.
このことは
[1]x^2+y^2型整数の積は,再びx^2+y^2型整数として表すことができること,また,
[2]この積は2通りの異なる方法で,2つの平方数の和として表すことができることを示しています(a=bまたはc=dのときは,積はたった1通りの方法で2つの平方数の和になります).
たとえば,5と13はいずれも4n+1型素数で,2つの平方数の和として表されますから,
65=5・13
5=1^2+2^2,13=2^2+3^2
65=(1・2+2・3)^2+(1・3−2・2)^2=8^2+1^2
65=(1・2−2・3)^2+(1・3+2・2)^2=4^2+7^2
となります.
1105=5・13・17
は4n+1型素数のはじめの3素数の積です.このことから,1105は2つの平方数の和で4通りに表せることになるのです.
1105=(a^2+b^2)(c^2+d^2)(e^2+f^2)
17=1^2+4^2
1105=(8^2+1^2)(1^2+4^2)=4^2+33^2=12^2+31^2
1105=(4^2+7^2)(1^2+4^2)=24^2+23^2=32^2+9^2
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【2】カーマイケル数1105
1105は2つの平方数の和で4通りに表すことができる数で,カーマイケル数でもあります.
1105=5・13・17
a^4=1 (mod5)
a^12=1 (mod13)
a^16=1 (mod17)
より,
a^1104=(a^4)^276=1 (mod5)
a^1104=(a^12)^92=1 (mod13)
a^1104=(a^16)^69=1 (mod17)
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