■円柱の切り口と円錐の切り口(その6)
円柱を斜めに切ると切り口は楕円になる.
円錐曲線の学び初めに,円錐を斜めに切ると切り口は楕円になることを学んだが,切り口は少しずつ先すぼまりになって卵形になるのではと思われた方は少なくないのではなかろうか?
有名なデューラーの円錐切断面の図解では卵形にゆがんで描かれていて、卵形であるか否かが話題にされてきたのである。
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円錐面をx^2+y^2=R^2zとしてもよいのであるが,母線の傾きを考えて
x^2+y^2=R^2z
とすると,母線はz=±y/Rとなる.
平面(z=ay+b)の傾きが母線よりと小さい場合(a<1/R),
x^2+y^2/(1+a^2)=R^2(ay/√(1+a^2)+b)^2
したがって,
x^2+(1−a^2R^2)/(1+a^2){y−abR√(1+a^2)/(1−a^2R^2)}^2=b^2R^2/(1+a^2)
x^2/α^2+(y−γ)^2/β^2=1
α=bR/√(1−a^2R^2),β=bR√(1+a^2)/(1−a^2R^2),γ=aRβ
となって,切り口は楕円である.卵形ではなかった.
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【1】虹は2次曲線
さて,虹の形は半円状(滝や散水しているときは弧状)が普通であるが,私は山間の渓谷にかかる吊り橋の上から,円形の虹を見たことがある.とても,神秘的に感じられる光景であった.一般に,虹は2次曲線となるのである.
1つの水球に注目すると焦線の集まりは太陽光と平行な中心軸をもつ直円錐をなすことがわかる.これを観測者の眼を中心に考えると,円錐を平面で切った断面の曲線(円錐曲線)が,虹として観察されることになる.
切り口であるから通常は楕円であるが,まれに水平方向近い断面(牧草地に朝露が降り,そこに太陽光が注ぐときなど)では放物線状,双曲線状の虹が見えることがあるという.
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