■輪転曲線と微分幾何
一つの曲線c1があって、もう一つの曲線c2がc1に接しながらすべることなく転がるものとする。このとき、c2に固定した点Pが描く曲線を輪転曲線という
サイクロイドやトロコイドは輪転曲線の特別な場合である
2次曲線が直線上を転がるときに,焦点の描く軌跡を微分幾何学を用いて求めてみます.解曲線は離心率eの値によって,
楕円(0≦e<1) → アンデュラリー
放物線(e=1) → カテナリー(懸垂線)
双曲線(e>1) → ノーダリー
と呼ばれます.
懸垂線(カテナリー)は伸び縮みしないひもの両端を固定しぶら下げてできる曲線ですが、放物線が直線上を転がるとき、焦点の描く軌跡でもあります。カテナリー以外は簡単な式では表せません
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車輪の形が楕円のとき、焦点が直線を描く道の形はコサインになります。この場合も順問題の答がアンデュロイドだったのに対して,逆問題の答は三角関数になるというわけです.
楕円 → 三角関数
放物線 → 放物線
双曲線 → 懸垂線
タイヤが歪んでいるとき,平らな道の上を滑らかに転がることができません.しかし,逆に考えると,歪んだタイヤでも凸凹具合によっては滑らかに転がることができる道があるはずです.
米国のスタン・ワゴン教授は四角い車輪を転がすには地面がどんな形をしていればよいか発想を転換したのですが、ここではある曲線に付帯する定点(回転軸)が水平線を描く場合の基線となる曲線を求めることにします
正方形の中心が直線を描く場合の基線は、懸垂線を上下逆にしていくつか並べた曲線となります.隣り合うアーチが谷で出会ってできる角度は直角になる.
ちなみに,三角の車輪でも五角の車輪でも地面のなす曲線は懸垂曲線が連なった形である.その際,隣り合うカテナリーが谷で出会ってできる角度は(1−2/n)πになる.
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