■フルヴィッツ曲線(その6)

【1】外周曲線の回転

 外周曲線を(x,y)で表すことにする.たとえば、ペリトロコイド曲線を

  x=Rcos(β+γ)+acos(n−1)β

  y=Rsin(β+γ)+asin(n−1)β

で表すことにする.

 この曲線を(n−2)公転について1回自転させてみる.その際,公転と自転の向きを逆方向にとると,

  [X]=[ cosθ,sinθ][x]+acos(n−2)θ

  [Y]=[−sinθ,cosθ][y]+asin(n−2)θ

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【2】包絡線の求め方

 陰関数f(x,y)=0上の点(x,y)で接線の方程式を求めるには,2変数関数の微分の知識が必要です.その場合,f(x,y)=0のyをxの関数(f(x,y(x))=0)とみなして,両辺をxで偏微分すれば2変数関数の合成微分の公式によって

  ∂f/∂xdx/dx+∂f/∂ydy/dx=0

すなわち,fx+fydy/dx=0より,

  y’=dy/dx=−fx/fy

が得られます.fx+fyy’=0の式をxの関数とみて,さらに,この両辺をxで微分すれば

fxx+fxyy’+(fyx+fyyy’)y’+fyy”=0

より

  y”=d^2y/dx^2

    =−1/fy(fxx−2fxyfx/fy+fyyfx^2/fy^2)

が得られます.決して,y”=−fxx/fyyなどというでたらめを書かないように!

 曲線族の各々の曲線すべてに接する曲線が包絡線です.曲線族が陰関数f(x,y,t)=0で与えられている場合,パラメータtが動くときの包絡線の方程式を求めるにはft=0を解いてt=g(x,y)を消去したり,あるいはx,yをtで表します.

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 パラメータ表示された曲線:x=x(β,θ),y=y(β,θ)が与えられている場合,パラメータβが微小変化するとき,包絡線に接しているある点における接線の傾きは

  dy/dx=(∂y/∂β)/(∂x/∂β)

で,この傾きの曲線に沿ってx方向に∂x/∂β,y方向に∂y/∂β変化します.

 パラメータθが動くときも同様で,

  dy/dx=(∂y/∂θ)/(∂x/∂θ)

したがって,

  (∂y/∂β)/(∂x/∂β)=(∂y/∂θ)/(∂x/∂θ)

  (∂y/∂β)(∂x/∂θ)−(∂y/∂β)(∂x/∂θ)=0

が成り立てば接線に沿って動いていくことになります.この点の軌跡が求める包絡線にほかなりません.

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 ペリトロコイド曲線の運動族

  x=Rcos(β+γ−θ)+acos((n−1)β−θ)+acos((n−2)θ)

  y=Rsin(β+γ−θ)+asin((n−1)β−θ)+asin((n−2)θ)

に対して

  (∂y/∂β)(∂x/∂θ)−(∂y/∂β)(∂x/∂θ)=0

を計算すると

  θ=β−2/(n−1)arctan(Rsin((n−2)β−γ)/(Rcos((n−2)β−γ)+(n−1)a))

となって,包絡線は1パラメータ曲線:x=x(β),y=y(β)となります.

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【3】ローター曲線

 ロータリーエンジンはペリトロコイド曲線と包絡線を基本形状として設計されますが,ローターとなるのは内包絡線だけですから,外包絡線部分を除いてやる必要があります.そのための条件として

  Rcos((n−2)β−γ)+(n−1)a=0

を用います.

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