■コペルニクスの逆定理(その66)
【1】デルトイドの接線と接線の長さ
デルトイド
x=2cost+cos2t
y=2sint−sin2t
の場合,tで微分すると
x’=−2sint−2sin2t
y’=2cost−2cos2t
ですから,
dy/dx=−(cost−cos2t)/(sint+sin2t)
これをmとおいて,
y−y0=m(x−x0)
を整理すると,接線の方程式
(1−cost)x+(sint)y=cost−cos2t
が得られる.
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直交座標系におけるデルトイドの方程式は
f(x,y)=x^2+12x+9+y^2−4(2x+3)^3
=(x^2+y^2)^2+18(x^2+y^2)−8x(x^2−3y^2)−27=0
と表される.
(1−cost)x+(sint)y=cost−cos2t
を代入するとxに関する4次方程式となるが,この方程式は
(x−2cost−cos2t)^2
で割り切れるから,残りの2根は
(x+2cost/2−cost)(x−2cost/2−cost)
より求めることができる.すなわち,π−t/2,2π−t/2となることが示される・・・はずである.しかし,実際にはこの因数分解は大変な複雑な作業となる.
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dy/dx=−(1−cost)/sint=−tant/2
すなわち,接ベクトルの偏角が−t/2であることに気づけばπ−t/2,2π−t/2を容易に示すことができる.その結果,
P1(−2cost/2+cost, 2sint/2+sint)
P2( 2cost/2+cost,−2sinθ/2+sint)
これからP1P2=4(一定)となることがわかる.すなわち,デルトイドは3つの尖点をもつ図形であるが,デルトイドの接線が曲線に挟まれる部分の長さは一定であるという性質をもつのである.
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【2】複素数を用いて
動円の半径rのデルトイドでは長さ4rの棒をデルトイドに接しながら1回転することができるというのと同じことを今度は複素数を用いて表してみる.
半径1/4の回転円が半径3/4の固定円に内接して滑ることなく転がっていくとき,回転円の周上の点の軌跡を考えると,
z=f(t)=1/2exp(it)+1/4exp(−2it)
パラメータt0における接ベクトルの偏角は−t0/2なので,接線の両端では
t1=−t0/2,t2=−t0/2+π
f(t1)−f(t0)= exp(−it0/2)sin^23t0/4
f(t2)−f(t0)=−exp(−it0/2)cos^23t0/4
これより,
|f(t1)−f(t2)|=1
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【3】雑感
デルトイドの接線が曲線に挟まれる部分の長さは一定であるという性質はシュタイナーを待たずともかなり以前から知られていたはずである.したがって,ここに掲げたものよりももっと簡単な図形的証明があるに違いない.
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