■コペルニクスの逆定理(その65)

 2n+1個の尖点をもつ星状図形の接線が曲線に挟まれる部分の長さlは,点Pをこの曲線上の任意の点とすると,点Pが尖点上にあるとき接線の長さは最大になること,同じことであるが弧の中間点にあるとき最小になる.そして,点Pが弧の中間点にあるときの接線の長さは,nを大きくすれば次第に1に近づくことになり「長さが1である線分を1回転させるのに必要な最小面積」を与える近似図形になることが理解される.

 すなわち,この星状図形では長さ1の線分を1回転させることはできないが,n→∞になると回転できるようになる.このことから,半径rの円の直径上に長さ1の線分がおけるという条件下でなく,接線の長さの最小値l0が1のときの星状領域の面積Snを求めて,デルトイドの場合と比較すべきであろう。

 最も狭隘な部分をミニマックス化するの際の相似比はl0:1であるから

 r→r/l0,Sn→Sn/l0^2

と補正してみることにしよう.

===================================

[1]補正後(ミニマックス化)

n       r/l0   Sn/l0^2

1 .905649 .396782

2 .870938 .316801

3 .862249 .300015

4 .858774 .293596

5 .857043 .290451

6 .856035 .288661

7 .855429 .287566

8 .855017 .286813

9 .854714 .286299

10 .854524 .28594

20 .853746 .284637

30 .853871 .28461

40 .853821 .284415

50 .853445 .284678

60 .854984 .285457

70 .854177 .283939

80 .855413 .284721

90 .856289 .285478

100 .853534 .284457

 補正後の3尖点星状領域(n=1)はデルトイドよりも大きいのですが,5個の尖点をもつ図形(n=2)の面積はデルトイドの面積π/8(.392699)よりも小さく約3/4(.316801)になります.nが大きいところではl0→1なので補正前の結果とほぼ同じ値です.

===================================