■初等幾何の楽しみ(その148)
媒介変数表示された曲線の面積の計算方法はいくつか考えられるのですが,
S=∫ydx=∫yx’dθ
S=∫xdy=∫xy’dθ
S=1/2∫(ydx-xdy)=1/2∫(yx’-xy’)dθ
正確にいうとこれらは正しくはありません。
x=f(θ)、y=g(θ)において、θの増す向きが反時計回りのとき,
S=-∫ydx=-∫yx’dθ
S=∫xdy=∫xy’dθ
これはまた
S=1/2∫(xdy-ydx)=1/2∫(xy’-yx’)dθ
ともなる
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【1】n尖点ハイポサイクロイドの面積
n個の尖点をもつハイポサイクロイドは,パラメータθを用いて
x=(n−1)rcosθ+rcos(n−1)θ
y=(n−1)rsinθ−rsin(n−1)θ
θ(0、2π)
と記述されます.
θで微分すると
x’=−(n−1)rsinθ−(n−1)rsin(n−1)θ
y’=(n−1)rcosθ−(n−1)rcos(n−1)θ
ここで注意しなければならないことは,θは極座標(r,θ)のパラメータではないことです.そのため,
S=1/2∫r^2dθ r^2=x^2+y^2
として計算すると正しい値が得られません.
計算方法はいくつか考えられるのですが,
S=∫ydx=∫yx’dθ
S=∫xdy=∫xy’dθ
S=1/2∫(ydx-xdy)=1/2∫(yx’-xy’)dθ
S=(n−1)(n−2)・πr^2
で表されることが計算されます.定円の半径をR(=nr)とした場合は,
S=(n−1)(n−2)/n^2・πR^2
となります.
デルトイドの場合はn=2,R=2rですから
S=2πr^2
となって回転円の面積の2倍に等しくなります.また,n→∞のとき
S→πR^2
となって定円の面積に近づきます.
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