■コペルニクスの逆定理(その30)

【1】掛谷の問題

 1917年,掛谷宗一は「長さが1である線分を1回転させるのに必要な最小面積の図形は何か」という問題を提出しました.

(凸図形の場合)

 (例1)線分ABをAの回り180°回転した半円:面積π/2

 (例2)ABを中点Oの回りに360°回転した円:面積π/4

 (例3)ルーローの三角形(正三角形の各頂点を中心として他の2頂点を通る円弧を描いてできる定幅図形):面積(π−√3)/2

 平面における定幅図形(いかなる方向に関しても等しい幅をもっている図形)は円だけではなく,そのような形状は無数にあります.定幅図形の中で最大の面積をもつものは円であり,最小の面積をもつものはルーローの三角形です(ブラシュケ・ルベーグ,1914年).

 ボレリ、リュリエール「微積分のこころに触れる旅・掛谷の問題に導かれて」、日本評論社

には、ルーローの三角形を出発点として、3つの扇をもつ針の回転の可能なプロペラ型図形についての考察がある。

 それによると、最小面積を持つ図形は扇型の半径xが約0.3。面積S約0.5のプロペラ型図形である。

  x=(π-√3)/(2π-√3)=0.30971

  S=π(π-√3)/(4π-2√3)=0.48649

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