■ドローネー集合(その32)

 ここでは,連分数展開を用いて数の集合を定義してみますが,たとえば,正の実数が無限連分数展開され,そのすべての部分商が1または2であるような実数の集合のハウスドルフ次元は0.531280506・・・であることが計算されています.

 3次以上の方程式の解,たとえば3√2の連分数展開を求めると,

  3√2=[1:3,1,5,1,1,4,1,1,8,1,14,1,10,2,1,4,・・・]

の一般項は求めることができません.この展開に現れる整数に最大値があることも示すこともできないのです.

 有理数は有限連分数,無理数で代数的数の場合は無限循環連分数,超越数は無限非循環連分数になります.たとえば,超越数eの連分数展開は,

  e=[2;1,2,1,1,4,1,1,6,1,1,8,1,1,10,1,1,12,1,1,14,1,1,16,・・・]

と書け,数字の出方が自然数順になっていることがわかります.すなわち,

  e=[2;1,2,1,1,4,1,1,6,1,・・・,1,2n,1,・・・]

 πの連分数展開

  π=[3;7,15,1,292,1,1,1,2,1,3,1,14,2,1,1,2,2,2,2,1,84,2,1,1,15,3,13,1,4,2,6,6,99,1,2,2,6,3,5,1,1,6,・・・]

にはなんの規則性も見あたらないようにみえます.もちろん,一般項は見つかっていません.10進数表現しても

  e=2.718281827459045・・・

 π=3.141592653589793・・・

eには何かパターンがありそうに見えますが,πの数の並び方には何のパターンもありません.しかし,単純連分数(分子がすべて1)に限らなければ,

  π/4=1/{1+1^2/{2+3^2/{2+5^2/{2+7^2/{2+9^2/{2+・・・}

分子には奇数の平方が並んでいるというパターンを見つけることができます.

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