■√2は無理数である(その2)
1辺の長さが1の正方形の対角線の長さは
√2=1.1414213562373・・・
である.これはピタゴラス学派により発見された,歴史的にみて初めての無理数である.
ピタゴラス学派は宇宙の万物は究極的に「整数」とそれから派生する「分数」によって表せると信じていましたから,√2が分数では表せない「無理数」であることを知ったとき,√2を奇怪な化け物だと考えて,その存在を隠し通そうとしました.これはピタゴラス学派を揺るがせることになる衝撃だったのです.
言い伝えによれば,ピタゴラスはこの発見に恐怖を抱き,無理数を発見した弟子のピッパソスを小舟に載せて連れ出して溺死させてしまったという「殺人事件」が起こるのです.
「男は比で表せない物を,秘密でなく公にさらけ出そうとした最初の人であるが,失敗に終わった.」
この男とはピッパソスのことであるが,彼ははじめて球の中に正12面体を内接させることに成功している.その作り方の中に現れるのは黄金比
φ=(1+√5)/2=1.618033988・・・
だから,それが最初の無理数となったかもしれない.気の毒なピッパソス・・・
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