■対蹠点までの距離(その28)
切り口についてはコクセター選集p189
[3] 正24胞体{6}
[4] 正600胞体{6}{10}とある
これで確認が取れたが{6}が対蹠点に至るルートかどうかは不明である。
ここでは4次元正多胞体の包含関係について考えてみたい。
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【1】結論を先にいうと
6種類ある4次元正多胞体の包含関係を考えよう.興味深いことに,正120胞体の頂点をうまくとると,他の正5,8,16,24,600胞体をすべて作ることができる.その意味で,正120胞体は4次元の「万有正多面体」である.3次元の正12面体の頂点からは正4面体と立方体を作ることができるが,正8面体と正20面体は面の中心を使わなければ作ることができないから,正120胞体ほど完全な万有正多面体ではないのである.
他方,5次元以上で4次元の正120胞体のような「万能正多胞体」が存在しないことも既知の結果である.
一般に,正α胞体の頂点をうまく結んで正β胞体が含まれる場合,両者の包含関係は頂点数の整除性によって決定されると考えるのは早とちりである.たとえば,正12面体(頂点数20)の中に立方体(頂点数8)を内接させることはできるが,20は8で割り切れない.
4次元の正120胞体(頂点数600)>正8胞体(頂点数16)もそうなっている.正8胞体の頂点数16が正120胞体の頂点数600の約数でないから,正120胞体は正8胞体を含まないとまじめに書いた本もあったが,少々早合点? 頂点数が約数になっていなくても別に矛盾ではない.逆に頂点数が約数になっていても包含関係が成立しない場合もある.
結論を先にいうと,6種類の4次元正多胞体の包含関係(巡礼)をまとめると,
正16胞体≦正8胞体≦正24胞体≦正600胞体≦正120胞体
正5胞体≦正120胞体
となる.120÷5=24なので,一見正600胞体の120個の頂点からうまく選べば正5胞体が24個含まれても良いように見えるが,正600胞体の頂点を結んでも同じ中心をもつ正5胞体は作れない.4次元正多胞体の中で正5胞体は何か異端児である.
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【2】結論
正120胞体の頂点をうまくとると,他の正5,8,16,24,600胞体をすべて作ることができる.たとえば,正5胞体は(−σ,1/τ,1/τ,1/τ),(1/τ,−σ,1/τ,1/τ),(1/τ,1/τ,−σ,1/τ),(1/τ,1/τ,1/τ,−σ),(1,1,1,1)を結んでできる.しかしながら,正600胞体の頂点を結んでも同じ中心をもつ正5胞体は作れない.
[4] 正600胞体{6}{10}とあるが、{6}については
[3] 正24胞体{6}からきているものと考えられた。
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