■メンデルの法則とハーディー・ワインベルグの法則(その1)
メンデルは植物の異種交配について実験をし,遺伝学の創始者になった.
彼は僧院長をしていて,その庭において以下の実験を行った.同じ族であるが異なった2つの種で,一方は白い花,他方は赤い花をもっている.その交雑種(第2世代)は桃色の花をもっているが,第3世代は白い花をもっているもの,桃色の花をもっているもの,赤い花をもっているものがそれぞれ141個,291個,132個あったのである.
これらの比は1:2:1という簡単なものである.もし白玉と赤玉が同数はいった2つの袋があり,各袋から1個ずつ取り出すと,白白:白赤:赤赤となる確率は1/4:2/4:1/4なのである.この結果は非常に重要なものとはいえ,非常に簡単なものであった.これからメンデルの法則(遺伝子仮説)を考えついたのである.
彼のこの実験はエンドウ豆のしわに関するものではなく、近交系の花の色に関するものである.いつのまにか勘違いされているのかもしれない.なお,この論文の別刷りが国立遺伝学研究所に保管所蔵されているらしい.
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遺伝子Aは遺伝子aに対して優性であるとする.片親からひとつずつ遺伝子をもらうので遺伝子型はAA,Aa,aaの3種類あるが,AAとAaの形質型は同じである.
形質型をA,aで表すことにすると,第1世代では
(A+a)^2=AA+2Aa+aa→A:a=3:1
となる。
世代とともにAが増えそうなもので、このままではaは駆逐されてしまうのではないかと心配になるが、遺伝子型で見ると
(A+a)^2=AA+2Aa+aa→A:a=1:1
で、遺伝子頻度は一定に保たれ,形質頻度も変化しない。
実際に組み合わせてみると、第2世代では
AA 2Aa aa
AA A 2A A
2Aa 2A 3A+a A+a
aa A A+a a
となって、形質型はA:a=3:1のままである。
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