■フェルマーの小定理とウィルソンの定理(その1)

(Q)pは素数,h1,h2。・・・,hsを整数とすると

  (h1+h2+・・・+hs)^p=h1^p+h2^p+・・・+hs^p  (mod p)

(A)2項の場合

  (h1+h2)^p=h1^p+(p,1)h1^p-1h2+・・・+(p,p−1)h1h2^p-1+h2^p=h1^p+h2^p  (mod p)

 3項の場合

  (h1+h2+h3)^p=(h1+h2)^p+h3^p=h1^p+h2^p+h3^p  (mod p)

等々.

 この式において,h1=h2=・・・=hs=1とおけば,フェルマーの定理を与える.

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(Q)pを素数とするとき,

  (p−1)!=−1  (mod p)

を証明せよ(ウィルソンの定理)

(A){2,3,・・・,p−2}のなかで,xx’=1  (mod p)を満足させるようなx,x’の対を考える.p>3であればxx’=1  (mod p)となるようなxと異なるx’が存在する.もしx=x’ならば(x+1)(x−1)=0(modp)となり,x=1かまたはx=p−1でなければならない.ゆえに

  2・3・・・(p−2)=1  (mod p)

  1・2・3・・・(p−2)(p−1)=−1  (mod p)

 もしpが1<u<pとなる約数uをもつとすれば

  1・2・3・・・(p−2)(p−1)+1=1  (mod u)

でなければならない.→pは素数である.

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 ウィルソンの定理を用いると

  x^2+1=0(modp),p=4m+1

の解はx=±1・2・・・2m(modp)となることがわかる.

(A)

  1・2・・・2m(p−2m)・・・(p−2)(p−1)+1=1

  (1・2・・・2m)^2+1=0(modp)

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