■g(k)とG(k)  (その22)

  (a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ab+cd)^2+(ad−bc)^2

                =(ac−bd)^2+(ad+bc)^2

はラグランジュの恒等式(あるいはフィボナッチの等式)と呼ばれるもので,一般に

  (Σai^2)(Σbi^2)−(Σaibi)^2=1/2Σ(aibj−ajbi)^2

  (Σai^2)(Σbi^2)−(Σaibi)^2=Σ(aibj−ajbi)^2

と書ける.

 コーシー・シュワルツの不等式

  (Σai^2)(Σbi^2)≧(Σaibi)^2

はラグランジュの恒等式から自明であろう.この有名な不等式は角の余弦値は1以下であることの幾何学的表現と解釈することができる.

 ラグランジュの恒等式は,複素数を使って

  z1=a+bi,z2=c+di

  z1z2=(a+bi)(c+di)=(ac−bd)+(ad+bc)i

  |z1z2|=|z1||z2|

と表すことで証明できる.この公式は2つの整数がともに平方数の和の形をしているなら,その2数の積も平方数で表されることを示している.

 ついでに言うと,三角不等式

  |z1+z2|≦|z1|+|z2|

  (a^2+b^2)(c^2+d^2)−(ac+bd)^2≧(ad−bc)^2≧0

と表すことで証明できる.

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