■因数分解の算法(その34)
ボンベリは,カルダノによる3次方程式の解法を
x^3−15x−4=0
に適用すると
4=3√(2+11i)+3√(2−11i)
という実数=複素数?という奇妙な関係式が成り立つことに気づいた.
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実は
(2+i)^3=2+11i,(2−i)^3=2−11i
という簡単な関係式が成り立つので,3乗根を外せば
4=(2+i)+(2−i)
が成り立つのである.
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25は平方数で27は立方数である.言い換えれば,26から1をひくと25(平方数)であり,26に1を加えると27(立方数)である.このように平方数と立方数に挟まれる数は他にはないというのが,
y^3=x^2+2
の正整数による唯一の解は(x,y)=(5,3)であるというフェルマーの主張であった.
これを仮想的な整数を導入して,以下のような証明を与えたのはオイラーである.
(証)x^2+2=(x+i√2)(x−i√2)
(x+i√2)=(a+bi√2)^3
=a^3+3a^2bi√2−6ab^2−2b^3i√2
=(a^3−6ab^2)+(3a^2b−2b^3)i√2
=a(a^2−6b^2)+b(3a^2−2b^2)i√2
(x+i√2)→a(a^2−6b^2)=x,b(3a^2−2b^2)=1
b=±1とすると,(3a^2−2)=±1→b=1のときa=±1
(1,1)→a(a^2−6b^2)=−5=x (NG)
(−1,1)→−a(a^2−6b^2)=5=x (OK)
さらにy=3.よって,フェルマーの主張が示された.
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