■ゼータの香りの漂う公式の背後にある構造(その112,杉岡幹生)
(杉)こんにちは。杉岡です。例のL(1)分解の微分方程式が求まりました!
(x^2+1)y”-2(n-1)xy’+n(n-1)y=0 (n=1,2,3・・) ---@
この解は、次のものです。
y=f1(x)=x-1
y=f2(x)=x^2 -2x-1
y=f3(x)=x^3 -3x^2 -3x+1
y=f4(x)=x^4 -4x^3 -6x^2 +4x +1
y=f5(x)=x^5 -5x^4 -10x^3 +10x^2 +5x -1
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上のfn(x)=0は、L(1)のn分身の値を解にもつ方程式で、それはパスカルの三角形を係数にもつものです(パスカル固有方程式と名付けました)。
例えば、f4(x)=0の解が、L(1)4分割の4分身たちの値を解(根)に持ちます。そして、@で、n=4としたものの解がy=f4(x)になります。
http://ikuro-kotaro.sakura.ne.jp/koramu2/13934_b3.pdf
前回こちらの[5]で報告した微分方程式は、上のfn(x)を”分子”にもつyを解にもち、そのyの形はややいびつであり、その”いびつさ”が非線形の原因でした。そのいびつさを取り払うことに成功し、線形の@に到達しました。
ところで、ζ(2)に関係するチェビシェフ微分方程式は、
(x^2-1)y” +xy’ -n^2y=0
です。L(1)の@と少し似ていますが、やはり違っていて、同じ仲間(族)ではないと考えられます。
チェビシェフ微分方程式は、エルミート微分方程式、ラゲール微分方程式らと並んで有名ですが、@はあまり知られていないと思います。
しかし、L(1)分割で見てきたように、@は、ζ(2)のチェビシェフ微分方程式と同じくらい重要です。パスカルの三角形にはまだまだ鉱脈が眠っているのかもしれません。
ζ(2)の方しかわかっていない状態が続きもやもやしていましたが、もう片方も求まってほっとです。また投稿いたします。予想通り、存在していてくれてうれしいです。 (杉岡幹生)
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(佐)おめでとうございます。
以前にもお話したことがありますが、高次元空間のねじれを表現する際に出現するHurley方程式とGoldberg関係式の関係に非常に似ています。
[1]Hurley方程式(ねじれた後を表現する)
3x^2+4x+3=0
4x^3+6x^2+6x+4=0(既約ではない)
5x^4+8x^3+9x^2+8x+5=0
6x^5+10x^4+12x^3+12x^2+10x+6=0=0(既約ではない)
ねじれ角はこれらの最大固有値になります。
[2]Goldberg関係式(ねじれる前を表現する)
3a^2-3b^2+c^2=0
4a^2-6b^2+4c^2-d^2=0
5a^2-10b^2+10c^2-5d^2+e^2=0
6a^2-15b^2+20c^2-15d^2+6e^2-f^2=0
これらは係数は二項係数、符号が交代で現れるというものです。 (佐藤郁郎)
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(杉)コメントありがとうございます。
Hurley,Goldbergというのがあるんですね。Goldberg関係式はパスカル固有方程式とたしかに似ていますね。符号がすこし違っていますが,幾何学方面で似たものが出るというのは面白いこと,この上ありません。
Hurley方程式は一見して対称的な式です。このような単純で対称的なものの奥に、豊かなものが潜んでいるのかもしれません。 (杉岡幹生)
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