■切稜多面体(その5)
合同な凧形24枚を貼り合わせた凧型24面体は準正多面体の双対なので,内接球をもつ.(その4)の辺の長さの比は
(27/16・9/10)^1/2=1.2324
であったが,凧型24面体ではどうなるだろうか?
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【1】凧型24面体の計量
アルキメデス双対を作るためには,アルキメデス立体を球に内接させ,多面体の頂点における球の接平面上に,面心を投影する必要があります.準正多面体は球に内接しても外接しないので,各頂点に集まる面の中心を結んでできる多角形が平面多角形にならないからです.
もとの立方体の1辺の長さを2,正方形面の1辺の長さをdとおくと,準正多面体[3,4,4,4]の場合,立方体を
d=2(√2−1)
で切稜すると正方形6枚と六角形12枚の2種類の面をもつ18面体(切稜立方体)ができあがります.この18面体は内接球をもつ唯一の切稜18面体であるのみならず,S^3/V^2比が最小(すなわち,表面積の割に体積が大きい)という性質をもつ特別な切稜立方体となっています.
外接球はもちませんが,この切稜立方体の六角形面が3枚集まる頂点を三角錐状に削り取ることによって,準正多面体[3,4,4,4]ができあがります.この準正多面体は斜立方八面体あるいは小菱形立方八面体と呼ばれているのですが,準正多面体ですから外接球をもつようになります.
(1)正方形面の頂点の座標:(d/2,d/2,1)
明示的に書くと,d=2(√2−1)ですから
(√2−1,√2−1,1)
の±を含めた巡回置換によって得られることがわかります.そして,原点から頂点までの距離の2乗は
√2(√2−1)^2+1^2=7−4√2=R^2
(2)正方形面の中心の座標:(0,0,1)
(3)もとは六角形面だった正方形面の中心の座標:
(d/4+1/2,0,d/4+1/2)
(0,d/4+1/2,d/4+1/2)
(4)正三角形面の中心の座標:
((d+1)/3,(d+1)/3,(d+1)/3)
外接球はx^2+y^2+z^2=R^2ですから,(1)正方形面の頂点(d/2,d/2,1)における接平面は
d/2・x+d/2・y+z=R^2
で与えられます.
したがって,外接球の中心から接平面上に(2),(3),(4)を投影すると,それぞれ,
(2)→x=0,y=0とおく→(0,0,7−4√2)
(3)→x=z,y=0とおく→((−8+7√2)/2,0,(−8+7√2)/2)
(3)→y=z,x=0とおく→(0,(−8+7√2)/2,(−8+7√2)/2)
(4)→x=y=zとおく→((−9+10√2)/7,(−9+10√2)/7,(−9+10√2)/7)
これより凧形の辺長(1.028,0.795115)で辺長比は1.29289,内角は(81.579°×3,115.263°),二面角はすべて等しく138.118°と計算されます.
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凧型24面体は辺長比1.29289,内角
鋭角(a)=81.579°
鈍角(o)=,115.263°
aとoに挟まれた鋭角(b)=81.579°
の凧形を24枚を貼り合わせた多面体で,二面角はすべて等しく138.118°と計算される.
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