■切稜多面体(その4)
中川宏さんのお話では
[1]これまで知られているものでは,等面の菱形多面体は30面が最大,等面多面体(Isohedron)はカタランの120面(三角形面)が最大です.
[2]菱形48面かどうかわかりませんが、頂点形状は鋭角A,鈍角Oとして,AAAA、AOAO、AAOO、OOOの4種類ありそうです.
ここまでくるとトポロジーに解析幾何を持ち込んだほうがよさそうだ.
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【1】菱形12面体の最大切稜
菱形12面体の頂点を
(±2,0,0),(0,±2,0),(0,0,±2)
(±1,±1,±1)
とする.
辺(0,0,2)−(1,−1,1)の中点は(1/2,−1/2,3/2)
原点と中点を通る直線に直交する平面:x−y+3z=dが面心(0,−1,1)を通るから,d=4
x−y+3z=4
辺(0,0,2)−(1,1,1)の中点は(1/2,1/2,3/2)それに直交する平面:x+y+3z=dが面心(1,0,1)を通るから,d=4
x+y+3z=4
頂点(0,0,2)周りの切稜面は
x−y+3z=4
x+y+3z=4
−x+y+3z=4
−x−y+3z=4
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辺(0,−2,0)−(1,−1,1)の中点は(1/2,−3/2,1/2)それに直交する平面:x−3y+z=dが面心(0,−1,1)を通るから,d=4
x−3y+z=4
辺(2,0,0)−(1,−1,1)の中点は(3/2,−1/2,1/2)それに直交する平面:3x−y+z=dが面心(1,0,1)を通るから,d=4
3x−y+z=4
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交点を求めるのも一法であるが,面倒である.
V=v+f
であるから,原多面体の面心の座標と,中心と頂点を結ぶ線上で切稜によって残る点を計算する方がよさそうである.
x−y+3z=4
x+y+3z=4
−x+y+3z=4
−x−y+3z=4
では(x,y)=(0,0)としてz=4/3であるから
(x,y,z)=(0,0,4/3)
x−y+3z=4
x−3y+z=4
3x−y+z=4
x=−y=zとして,(x,y,z)=(4/5,−4/5,4/5)
すると凧型を構成する4点は
A(0,0,4/3)
B(1,0,1)
C(4/5,−4/5,4/5)
D(0,−1,1)
AB^2=1+(1/3)^2=10/9=DA^2
BC^2=2(1/5)^2+(4/5)^2=18/25=CD^2
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辺の長さの比は
(10/9・25/18)^1/2=1.2423
となり,凧型24面体とは異なっている.
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